OSとしてSolarisはそれこそ幾通りの活かし方があり、また楽しみ方があるのだが、いくつかに絞り込まないと、本稿ではとてもカバーできるものではない。そこで下記の方針でインストールとその後の設定をすることとする。これらは、いわゆる標準的なものであり、本来の使用方法からは大きく外れていないはずだ。
- ディスプレイとキーボード(中にはキーボードを繋げないとOSが立ち上がらないものもあるので要注意)を繋げずに、クライアントのWindowsマシンからネットワーク経由でのみ使う。クライアントからはオーソドックスにtelnet 、FTP、HTTP をIPv4プロトコルを経由して使用する。
- マルチブートについては省略する。マルチブートにしてもマルチにOSが走るわけではない。Solaris専用マシンを組んでおいて、使いたいときに電源を入れるだけで、Solarisが立ち上がり、使用できるような使い方を想定する。
- NFS サーバー、ネーミングサービス(DNS, NIS, NIS+, LDAP )、Keroberos(ケルベロス)等のサーバーは別途たてない、また自身もこれらのサーバーにはならないものとする。
- このブロードバンドが普及した時代である、DHCPサーバー機能は終日電源ONで稼動しているブロードバンド・ルータに任せるのが合理的である。一度取得したIPアドレスを固定したい場合もルータの設定によって行う。
- セキュリティーについては、ルータの機能を使用する。市販されているブロードバンド・ルータに標準的に提供されている、パケットフィルタリング、IPマスカレード機能によりファイアウォールを構築する。これで外部からの攻撃に対しては有効になるが、内部からはサーバーでブラウジングしない、メールを出さない等、外部に接続しないことにより対処する。つまりサーバーはLANの内側で使用する。
- インストールDVDに含まれる製品のみをインストールする。
- 日本語および日本国内を対象とする。
それでは、実際のインストール作業に入っていく。
- Solaris 10のダウンロード
- ハードディスクの初期化
- BIOS(Basic Input/Output System)の設定
- GNU GRUB loader
- インストーラの選択
- Configure Keyboard Layout (キー配列の選択)
- Select a Language(インストール時に使用する言語の選択)
- The Solaris Installation Program(Solarisインストレーションプログラム)
- Identify This System(システムの設定)
- Network Connectivity (ネットワーク接続)
- DHCP(Dynamic Host Configuration Protocolの指定)
- IPv6(次世代インターネットプロトコルの指定)
- Confirm Information(設定情報の確認)
- Configure Security Policy(セキュリティポリシーの設定)
- Confirm Information(設定情報の確認)
- Name Service (ネームサービス)
- Confirm Information(設定情報の確認)
- NFSv4 Domain Name (Network File System version 4ドメイン名)
- Confirm Information(設定情報の確認)
- Time Zone (時間帯)
- Confirm Information(設定情報の確認)
- Root Password(Rootパスワードの設定)
- Identify This System(システムの設定)
- Enabling remote service(リモートサービスの有効化)
- sysidtool (前半の設定は終了)
- Solaris interactive instruction(Solaris対話式インストレーション)
- Eject a CD/DVD Automatically ? ( CD/DVDの自動排出)
- Reboot After Installation?(インストール後のリブート)
- Information(通知)
- License(ソフトウェア・ライセンス契約書)
- Select Geographic Regions(地域による言語の選択)
- Select System Locale(システムのロケール選択)
- Additional Products(追加製品)
- Choose Filesystem Type(ファイルシステムの選択)
- Select Software(ソフトウェアの選択)
- Select Disks(ディスクの選択)
- Disk Editing Options(ディスクの編集オプション)
- Customize fdisk Partitions for Disk(fdiskパーティションのカスタマイズ)
- Select Disks(ディスクの選択)
- Automatically Layout File Systems(ファイルシステムの自動配置)
- Automatically Layout File Systems(ファイルシステムの自動配置)
- File System and Disk Layout(ファイルシステムとディスクの配置)
- Customize Disk(ディスクのカスタマイズ)
- 「Size(MB) 」の欄を「overlap」を除いてすべて0にする。
- 「Mount Point」の「/export/home」の欄ををスペースキーを押して消す。
- 「Size(MB) 」の「swap」欄に値を入れる(メモリ容量の倍数が推奨)。「Rounding Error」が表示されることがあるが、これはスライスがシリンダ単位で配置されるからである、徐々に数値を増やしていくと、エラー表示はなくなる。シリンダイメージの表示、編集は「F4」キーのオプションで行うことができる。
- 最下欄にある「Free:」の値を「Mount Point」が「/(ルート)」「Size(MB) 」の欄に入れる。
- File System and Disk Layout(ファイルシステムとディスクの配置)
- Mount Remote File Systems?(リモートファイルシステムのマウント)
- Profile(プロファイル)
- ファイルシステムの作成
- Solaris Initial Install
- リブートの直前
- リブート後のGRUB画面
- サービス管理機能(Service Management Facitity:SMF)
- ログイン画面
- Java Desktop System(JDS)
- 登録ウィザード
- loginファイルの編集
- ネットワークインターフェイス状況の確認
- システムの起動と停止
- -i : run level(0, 1, 5, 6, s, Sが有効であり、デフォルトは"s")
- -g : shutdownを開始するまでの秒数、デフォルトは30秒
- -y : shutdownするかどうかの確認の有無("s"で無し)
頻繁に変更するので「Solaris 10 5/09のダウンロード」を参照されたい。
ハードディスクは工場出荷品を新たに購入した場合を除き、初期化しておくことをお奨めする。ここでいう初期化とは出荷時の状態で何もパーティションが切られておらず、ブートレコードも入っていないのでディスクから起動できない状態を指す。これにはハードディスク・ドライブ・ベンダーが提供するツールに含まれる、ローレベルフォーマット(low-level format)を実行するのが簡易な方法である。実行後はパーティション情報、マスターブートレコードが含まれるドライブの冒頭を含めすべての削除する。さらに、ローレベルフォーマットで障害が発見されずに終了すれば、少なくともインストールの当初では、ハードディスクに故障が無い事を確認する事にもなる。
PCの電源投入後ファンクションキー、Deleteキー、またはEscキーを押してBIOSセットアップ画面を表示して、CD ドライブからPCを起動できるように確認と設定をする。
あとの設定で述べるように、インストール終了後に自動リブートを選択する。この際、CD-ROMの自動排出も選択しておくが、自動排出よりもBIOS起動が先にくるため、CD-ROMから、再度起動がかかり、インストールが再度実行されてしまう。したがって、実質的にはこのオプションは無効なのである。
ただし、再びインストールが始まったとしても、言語選択の画面で選択待ちの状態で停止するので、そこで電源を切って、再起動をかければよいので、神経質になる必要はないのだが、BIOSの設定で対応できるならば、次の方法を取ったほうが良い。
ハードディスクを初期化してから、インストールを開始した場合は、ハードディスクの起動順位をCD-ROMよりも前に設定して、インストール終了後CD-ROMからリブートしないようにする。(初回はHDDの起動順位を前に持ってきても、そこからはブートできないので、CD-ROMから起動がかかる。インストールを終了して再起動すると、今度はハードディスクにブートレコードが書かれているので、システムはそこから立ち上がる。)
または、一部の機種ではBIOSセットアップ画面とは別のファンクションキーに、起動メニューが割り当てられているものがある、ここで一時的に起動順位を変えることが出来るので、一時的にはCD-ROMから起動、恒久的にはHDDから起動するようにして、インストール終了後にはCD-ROMに読み込みに行かなくなる。
SolarisインストールディスクをDVDドライブをセットしてマシンを再起動すると、BIOS はディスクからブートローダー、すなわちGRUB (GRand Unified Bootloader)を読み込みメモリにロードして、システムの制御をGRUBに移す。GRUBによってブートプロセスが開始され、画面が表示される。ここで「Solaris」を選択し、Enter キーを押す。
ちなみに2,3行目のシリアルコンソールとは、ヘッドレス・サーバー(headless server:ディスプレイやキーボードなどへの接続デバイスを持たないため、入出力をシリアルポートで行う)への接続方式である。シリアルポート(ttya (COM1)、ttyb (COM2) )と端末をシリアルケーブルで接続する。端末側はターミナルエミュレータからキャラクターベースで操作する。
GRUBからminiroot(インストールのための必要最低限な環境)がメモリに展開され、kernel が起動して、インストーラは選択画面を表示す。
ここではGUI(Graphical User Interface)またはCUI(Character-based User Interface)の対話形式かを選択する。
GUIベースのインストーラではメモリ消費量が多い、このため消費の少ないCUIベースインストーラSolaris Interactive Text (Console session)」を選択するのが無難である、せっかくここまで進むことが出来ても、以降の処理でメモリが不足すると、徐々に実効速度が落ち、フリーズすることがある。また、キャラクタベースのインターフェースであればビデオカードとのマッチングも問題ないはずだ。日本語表示が無いのが残念だがそう何度も使うものでもない、ファンクションキーを押して軽快に進んでいくインターフェースも慣れれば使いやすい。「4」を押した後はネットワークカードの認識が始まる。
Screen Solaris Interactive Text
Japanesを選択して[F2]を押す。
Screen Configure Keyboard Layout
「4」を選択して[Enter]を押す。
インストールする言語ではなく、インストール時に使用する言語であることに注意。
日本語を選択しても、CUI版のインストーラーでは日本語の画面が用意されていないので意味はないが。最後のリブート直前のメッセージは日本語なので文字化けする。このため一見すると英語を選択したほうがよいように思えるが、ここでの選択は後でのロケールの選択と連動していて、見過ごすとデフォルトのC ロケール (POSIX ロケール)を選択してしまうため、日本語を選択する。
これから行うインストレーションに関するの説明文が表示される。画面の内容を確認後[F2]を押す。
Screen The Solaris Installation Program
システム設定の説明文が表示される。画面の内容を確認後[F2]を押す。
ネットワークに接続するので [F2]を押す。
DHCPのクライアントになるので、「Yes」を選択して [F2]を押す。
IPv6は使用しないので、「No」を選択して [F2]を押す。
このセクションの総括である。画面の内容を確認して正しければ、[F2]キーを押す。変更する場合には、[F4] キーを押す。
Keroberos(ケルベロス)は使用しないので、「No」を選択して [F2]を押す。
Screen Configure Security Policy
このセクションの総括である。画面の内容を確認して正しければ、[F2]キーを押す。変更する場合には、[F4] キーを押す。
ネームサービスは使用しないので、「None」を選択して、[F2]キーを押す。
このセクションの総括である。画面の内容を確認して正しければ、[F2]キーを押す。変更する場合には、[F4] キーを押す。
NFSv4 の使用、未使用に関わらず [F2]キーを押す。NFSは使用しないのだが、ここでデフォルト(自動取得)以外を選択すると、さらにドメイン名の入力を要求される。
このセクションの総括である。画面の内容を確認して正しければ、[F2]キーを押す。変更する場合には、[F4] キーを押す。
Asiaを選択して、次の画面でJapanを選択して [F2]キーを押す。
Screen Date and Time
デフォルト(BIOSの)の日付と時間が表示される、それをそのまま使用するか、値を変更して、[F2]キーを押す。
このセクションの総括である。画面の内容を確認して正しければ、[F2]キーを押す。変更する場合には、[F4] キーを押す。
上下の欄に同じパスワードを入れて[F2]キーを押す。
インストーラのシーケンスの間違いなのか、ここでは関係ないシステム設定の説明文が再度表示される。画面の内容を確認後[F2]を押す。
「No」を選ぶと、O/Sインストール後の作業で使用するネットワークサービス(ftp/telnet)が使用できないのでデフォルト(「Yes」)のまま、[F2]キーを押す。
Screen Enabling remote service
これで前半の設定は終了してsysidtoolが動き出す。
[F2]を押して"スタンダード"インストールを始める。
Screen Solaris interactive instruction
[F2]を押す。ここで言う自動/手動排出とはリブート後の動作となる。リブートすると、このような動作の前にまずBIOSがCD/DVDを読み込みそれがブータブルである場合は、そこから起動してインストールが再度始まる。このため自動排出を選択しても無効である。
排出したい場合には注にあるように、リブートしたときを見計らって手動排出する。
Screen Eject a CD/DVD Automatically
デフォルト(「自動」)のまま、[F2]キーを押す。諸設定を終えた後、インストールが始まってから、リブートするまでの間かなりの時間がかかる、この間端末の前で待機する必要はなく、放置しておけば自動リブートして、インストールが再度始まってSelect Languageの画面で止まる。ここでメディアを取り出し、電源スイッチを切って、入れなおしたほうが、手動を選択してrebootコマンドを入れ忘れるよりも安全な方法だといえる。手動の場合はrebootコマンドを入れないとインストールは完結しない。
Screen Reboot After Installation
画面の内容を確認後[F2]を押す。
画面の内容をよく読んで[F2]を押す。
デフォルト(「Asia」)のまま、[F2]キーを押す。
Screen Select Geographic Regions
デフォルト([Japanese EUC (ja)] ( ja )))のまま [F2]を押す。リブート後にシステムのデフォルトとなるロケールを設定する。後でインストールするOracleもEUCにあわせておけばtelnetの画面で漢字コードを切り替える必要がない。
デフォルト([None])のまま [F2]を押す。製品は追加しない。
デフォルト([UFS])のまま [F2]を押す。
デフォルトからOEM サポートに変更して[F2]を押す。
後になって足りないソフトウェアの依存関係を調べてインストールするよりも、ここでフルインストールしたほうが問題は少ない、ディスク容量を節約したとしても差はわずかなものである。OEMとはSunのデバイスを純正(SunにはSPARCプロセッサだけではなく、x86アーキテクチャの製品のラインナップもある)として、それ以外のサードパーティ製のデバイスのことを指す、ここで言うOEMサポートとは、インストール時に検出されたハードウェアのドライバ以外のライブラリも含みインストールする意味である。
画面の内容を確認後[F4]を押す。初期化してあるディスクではディスク全体がSolarisパーティションになっている。初期化されていない場合は、パーティションを切るために[F4] を押して編集に進む。初期化してある場合でも、確実にパーティションが切られていることを確認する意味で同様に編集に進む。画面文言はディスク小容量時代の名残りのようなもので、複数の小容量のディスクに必要容量を分割してを確保する方法を表している。
デフォルトのとおり「Edit Fdisk partitions」)を選択して、 [F2]を押す。
必要ならばパーティションの作成と削除を行い、ディスク全体をSolarisパーティション(SOLARIS)にして、 [F2]を押す。
Screen Customize fdisk Partitions for Disk
元の画面に戻るので、内容を確認後[F2]を押す。
ファイルシステムを一度自動配置したものを、カスタマイズするので[F2]を押す。
Screen Automatically Layout File Systems
画面の内容を確認後[F2]を押す。
Screen Automatically Layout File Systems
画面の内容を確認後[F4]を押して、カスタマイズに進む。
Screen File System and Disk Layout
下記の手順でディスク領域のすべてを「/(ルート)」と「swap」に割り当てた後、 [F2]を押す。
画面の内容を確認後[F2]を押す。
Screen File System and Disk Layout
NFSマウントしないので[F2]を押す。
Screen Mount Remote File Systems
画面の内容を確認後[F2]を押してインストールを始める。
プロファイルに設定した情報に従いディスクを割り当て、ファイルシステムの作成が始まる。
Screen Creating and checking file systems
メディアからインストールが始まる、インジケータが示すように100%になるまで待つ。
Screen Solaris Initial Install
日本語の部分が文字化けするので、数箇所表示が崩れる。
英語表記では下記のとおりになる。(サマリー画面では、30秒、リブート画面で90秒ポーズする。そのままポーズするなら「p」、続行するならば「c」を押す)したがって所定時間放置しても問題ないが、急いでいるときには、「c」、「c」と押して進めばよい。
GRUB画面が表示されたらデフォルトのまま [Enter]を押してSolarisを起動する。ここでも60秒間放置しておいても問題ない。
Solarisを起動すると、サービス管理機能(Service Management Facitity:SMF)SMF の初期化(初回のみ)が始まる。それが終わるとコンソールログインを促すプロンプトが表示されるので、放置する。
Screen Service Management Facitity
GUIログイン画面がでてきたら、rootとパスワードを入れる。
Java Desktop System(JDS)を選択する。
登録ウィザードが表示されるので、ここで登録する場合は進める、ただし本稿の記述内容と異なってくる可能性もあるのでアップデートには進まない。
Screen Solaris Registration Wizard
デスクトップ上で右クリックをしてメニューから、または左下の「起動」ボタンを押して、そこから「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「端末エミュレータ」を選択して端末エミュレータを開いて下記の編集操作をする。
Loginファイルのオリジナルのコピーを取り(以降必須ではないが、編集前のファイルのバックアップは取っておく。編集に失敗した場合それから戻せばよい。本稿では以降その拡張子を「org」とする。)、viでファイルを開く。
下記の行まで移動して、編集前の状態ではrootユーザーはコンソールのみログインが可能.になっているので、コメントアウトして、(telnet)からもログインできるように変更する。
変更が終わったら、このファイルは書き込み権限が無いため、「:wq!」で強制書き込みをして終了する。
デスクトップ画面が起動しない場合は下記の操作を行う。
リブート後、デスクトップの起動に失敗した場合は下記の状態で止まっている。
ここで「Enter」を押すと次のプロンプトが出てくるので、「root」と入れ、続けてrootのパスワードを入力してrootでログインする。なぜ「unknown」なのかと、なぜ随所にワーニングが出ているのか?これについては次回で行う設定で解決する。
なお、デスクトップ画面が立ち上がったとしても、システムに負荷を抑えるため、コンソール画面でのまま留めて置く場合には、次のようにdtconfigコマンドをタイプして、デスクトップ画面の自動起動を無効(disable)にすると、次の起動からはコンソール画面で留まり、デスクトップ画面は起動しない。特に搭載メモリの少ないマシンではこの設定を推奨する。
その逆は、デスクトップ画面の自動起動を有効(enable)にする。
わずかな間の操作なので、日本語部分が文字化けする事を了解の上行うのならば省略してよいのだが、例えば次のようにviでloginをセーブするときのメッセージが「行」と「バイト」の部分で文字化けをする。
次のタイプをして(「|」が不可の場合はenvのみ)言語を調べると、環境変数は日本語になっている。日本語のキャラクタジェネレーターを持たないハードウェアでは、日本語をテキストモード表示することは出来ないのだ。
文字化けするよりも、英語表示の方が好ましい場合は次のように環境変数を変えて、エクスポートする。
(起動のたびごとに設定すのが面倒ならば、/etc/default/initのLANG=jaの行をコメントアウトする。「C」とはC ロケール(POSIX ロケール)の意味であり、無指定ではこれが適用される)
ほとんどの読者は日本語106キーボード、109キーボードを使用しているはずである。インストールで日本語キーボードに設定した場合は、0(ゼロ)の.3つ右隣、Lの.3つ右隣、Mの4つ右隣にあるキーは無効になることがある、中でも「|」、「\(\)」、「_」の3字についてはコマンド入力際に頻度が高いので、今後コンソール画面を頻繁に使用する場合は、使用ができないよりは下記コマンドをタイプして再起動をかけて英語キーボードにして、英語キーボードレイアウトを参照して入力したほうが良いだろう。
英語キーボードとして使用する
日本語キーボードとして使用する
下図に日本語キーボードと英語キーボードの配列を示す。ここでは英語キーボードのレイアウトが適応される、特殊記号の配置に注意されたい。
日本語キーボードレイアウト
図 Japanese(106)
英語キーボードレイアウト
図 US-English
ネットワークインターフェイスの状況を確認してDHCPサーバーが割り当てた、以降の作業でクライアントからアクセスするIPアドレスを控えておく、これはifconfigコマンドに -a オプション、またはネットワークインターフェース名を指定して実行する。
DHCPサーバーが、MACアドレスに対応したIPアドレスの静的割り当て、または割り振ったIPアドレスのリース時間を無制限にする等の機能を持っていれば、一度割り振られたIPアドレスを固定して使うことができる。
なお、DHCPサーバーから取得したアドレスの解放、再取得は下記のコマンドを使用する。
ここまでのインストールが正常に済んでいれば、システムの起動については特に問題はない、電源ボタンを押せばブートアップする。
UNIX全般に言えることだが、動いている間こそ堅牢であるが、停止は正常な手順を踏んで行わないと、ファイルシステムが簡単に壊れる。下記のシステムシャットダウン時のメッセージの抜粋を見ていただきたい。これが示すとおり、システムを安全に停止させるためには、それまでに動いていたサービスを停止して、バッファキャッシュをフラッシュして、ファイルの同期(sync)を取ることが最低限必要になる。
システムを手順どおり安全に停止させるのは、ランレベルをある状態に遷移させることに他ならない。ランレベルを操作するコマンドは数種用意されているので、それらを使用してシステムを停止する。
ランレベルを下表にまとめた。通常マシンを起動して、すべてのブートプロセスが済んだ後はランレベル「3」でシステムは走っている。それよりも低いランレベルは、保守や緊急の事態への対処に使われる。例えばバックアップを取る前には、マスターコンソール以外のユーザーがバックアップの対象となるファイルの内容が変更したり、移動/削除をさせないためシングルユーザーモードに移行させる。なお、「s」or「S」、「1」、「2」、「3」間のランレベルの遷移はブートを伴わないので、一見してどのランレベルが移行したのか分からないが、コマンド「who –r」によって現在のランレベルを確認することが出来る。 システム停止に関係するランレベルは、「0」、「5」、「6」である。
「0」は電源オフが可能な状態までシステムを移行させる。コンソールには「Press any key to reboot」とプロンプトされ、電源ボタンを押して電源を切る。その前にキーボードのどれかのキーを押した場合、システムはウォームブート(warm boot)する。
「5」はBIOSの電源管理機能が適合していれば、コマンドによって電源は切られるが、不適合の場合は「0」と同じ動作になる。また同機能が適合していれば、電源ボタンによって、ランレベルは「5」に移行して安全にシステムを停止できる。 ランレベル「6」はプロンプトを待つことなくウォームブート(warm boot)する、つまりランレベル「0」でプロンプトの後何かのキーを押したのと同等の動作をする。
表 run level
ランレベル | 状態 |
---|---|
0 | 電源オフ可能状態 |
s or S | シングルユーザー・モード。rootファイルシステムのみリードオンリーアクセスでマウント。 |
1 | シングルユーザーモード。すべてのローカルファイルシステムをリード/ライトアクセスでマウント。 |
2 | マルチユーザーモード。NFSサーバー、その他のネットワークサービスを除くサービスを開始 |
3 | マルチユーザーモード。すべてのサービスを開始 |
4 | 予備。ユーザー定義 |
5 | 電源オフ |
6 | 再起動 |
run level を変更できるコマンドは下表のとおりである。
表 run level command
コマンド | 処理 |
---|---|
init | 引数に run level を指定する。 |
telinit | 引数に run level を指定する。initにリンクが張られている、互換性のためにあるコマンドである。 |
shutdown |
initを起動するシェルスクリプトで下記のオプションが加わる。
|
reboot | init 6に同じ |
poweroff | init 5に同じ |
halt | init 0に同じ |
以上から通常の運用で使用するならば、パワーオフは” init 5”、リブートは init 6”と覚えておけば十分であろう。
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